今月発売のニンテンドーSwitch用タイトル『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』。
アクションゲーム好きとして、この歳になってもマリオのタイトルは遊ぶように
している。 現状コンプリートはしていないがクリアまではプレイできた。
今回はその感想だ。
●複数の操作キャラクター
マリオ、ルイージ、ピーチ、デイジー、キノピオ(黄・青)、キノピコ、
ヨッシー(緑、赤、黄色、みずいろ)、トッテン…が選べる。
この中では特にデイジー姫が使えるようになったこと、ヨッシーを久しぶりに
たっぷり操作できることが特にうれしく感じられた。
マリオからキノピコまでの性能は基本的に同じ。ジャンプの音が違ったりする。
ヨッシーやトッテンは通常アイテムで変身せず、敵からダメージをうけない。
完全な無敵ではなく、穴に落ちたり、はさまったりはさすがにミスとなる。
ちなみにヨッシーが4色いるのは4人同時プレイで全員がダメージを気にせず
プレイできるようにという配慮と思われる。一人だけトッテンでも悪くないが
トッテンは別にマリオの仲間というイメージでもないし……
●ステージはわりと短め
アクションゲームとして今回気になった部分はここ。体感としては
スーパーマリオ3Dランド(3DSのタイトルだ)での1ステージの長さに近いと
感じた。つまり他のタイトルよりもやや短い。Switchは携帯ハードでもあるので
1プレイの時間を短く見積もりたかったのかもしれない。
これはゲームとしての満足感に関わる部分なので短いだけでは不満が出やすい。
(過去にセガのソニック フォースなども1ステージを短くまとめていたが、
全体的なボリューム不足と難度低下のリスクがあったととらえている。)
マリオシリーズはステージの数が多いために小気味良く、さくさく進んでいく
ことができる。地味なことだが大作ゲームでないとこんなにステージ数を用意
できないだろう。
●むずかしさの表示
ステージを始める前の画面も変わった。
★の数でステージの難度が示されるようなり、難度に納得しやすくなった。
あるいは難しいステージを避けてプレイしやすくなったといえる。
●あたらしいグラフィック
マリオの動きはスーパーマリオブラザーズ3やマリオワールドのモーションに近い。
いわゆるアラレちゃん走りだったり、ヨッシーアイランドのようなヨッシーの
ふんばりジャンプを見ることもできる。ゲーム発表時は違和感もあったが、ゲームが
目指しているものが懐かしくも新しいものであることがすぐに伝わってくると思う。
●ゆるい繋がり。ネガティヴなイメージのないオンラインプレイ
ネットワークにつないで世界中のプレイヤーと一緒にステージを攻略できるように
なった。かくしブロックや「ここ通れるよ」のようなジェスチャー、ミスしたら
一定時間以内に他のプレイヤーにタッチしたら復帰できる、など言語を介さない
シンプルなコミュニケーションを楽しむことができる。
オンラインプレイというと楽しい反面、いやな思いをした経験のある人も多いと
思うが、そこをうまく解決してきたと感じられた。
このゆるい助け合いによってゲームの難度はさらに低下しているが、独力のみで
攻略したい人は改めてチャレンジすればいいだろう。
●バッジによるプレイングのカスタム要素
ステージを始める前に、ひとつだけ追加性能を得るバッジをつけることができる。
空中でもう一度ジャンプができるような、いわばスキルだ。
これによって、同じステージでも別の解き方ができるようになっている。
プレイを助けるバッジばかりではなく、常にジャンプしてしまったり、高速で
走り回ってしまうような縛りプレイ向けのクセの強いものもある。単純な要素
とも言えるが、2Dマリオでさえもカスタム要素をお出ししてきた、という
2Dアクションゲームの未来についてちょっと考えるべき変化ともとらえている。
●レベルデザインとワンダーフラワーについて
ステージに隠されているワンダーフラワーに触れるとステージに大きな変化が
起こる。マリオたちが特殊な変身をしたり、大きな何かに追いかけられたり……
とにかくルールが変化する。予測不能な展開が多く、次は何が起こるかわからない
ステージを次々解いていくことになるだろう。
ワンダーばかりでなく、敵キャラクターも見慣れない動きをするものが多い。
クリボー、ノコノコ、パックンフラワー、ハンマーブロス、ガボンなども出て
くるが、新しい敵を見かけることの方が多いくらいだ。敵の特徴が変わればステージ
の印象も変わってくる。今回は今までと違うこと、プレイヤーに新しい体験をさせる
ことに対する執念を感じる。
●おしゃべりフラワーについて
ステージ中のできごとに対してツッコミを入れる存在というのは過去のゲームにも
存在する。Wiiウェアであった、セガの『珍道中 ポールの大冒険』などは芸人の
ボイスによるツッコミを特徴として2Dアクションゲームだった。着想としては
ゲームセンターCXのような実況プレイ文化から起こっているものだろうが、こう
いうのは基本サムくなりがちでもある。常識を共有していなければ笑いは起きない。
今作でのおしゃべりフラワーは結構危ういチャレンジだと感じたが、任天堂の
細かな調整もあってか、プレイヤーが共感しやすい内容のセリフが多い。マリオたち
の代わりにプレイヤーに呼びかける存在としてゲームを賑わしてくれたが、それでも
この要素が正解なのかどうか、自分には判断がつかなかった。
もちろん設定でOFFにもできるので最初から拒否したい人はそれでもいいだろう。
わかりやすいヒントとしても登場。
●普段ゲームを遊ばない人にもおすすめできる
『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』は、いつもより脱落者を出さないよう
配慮し、それでいて新しい体験ができるように作られたゲームだった。
クリア優先のプレイヤーには少し物足りない部分もあるかもしれないが、この冬に
友達や家族みんなでゲームを楽しむには文句なしにおすすめできる内容だった。
個人的には、2Dマリオがこれだけ変化してくると、他のアクションゲーム
もうかうかしていられないのではないだろうかと感じている。
友達や家族みんなでゲームを楽しむには文句なしにおすすめできる内容だった。
個人的には、2Dマリオがこれだけ変化してくると、他のアクションゲーム
もうかうかしていられないのではないだろうかと感じている。