新型コロナウイルスの影響は大きくなってきている。
まさか志村けんさんまで喪ってしまうとは……
キラメイレッドの件は特撮番組にも影響が出てきそうだ。
復帰は? 夏に向けてのスケジュールは?
不安はあるがこれも大きな問題の一部に過ぎず、できることをして
見守るほかない。

ここ数年は自由な外出をできるような時間もない生活を送っていたが、
あらゆる人にそれを強要させるような今の状況は酷だろう。

今月はゲームの体験版が多く配信されていた。
FF7リメイクなどは気乗りせずにダウンロードしていないが、
聖剣伝説3の体験版はちゃんと遊んでいる。
アンリアルエンジンでの開発になったため、グラフィックはリメイクとして
充分なクオリティとなっていた。戦闘システムも見直されているが、
いかんせん、2D見下ろし視点のドット絵ゲームを3Dバックビューにすると
密度感が締まらなくなるし、フルボイスでのイベントシーンは会話中の間の
取り方にぎこちなさが出てしまう。 違和感をなくすだけのノウハウが
あるはずなのに、オリジナルを忠実に再現しようとしたが故の弊害に
勿体なさを感じてしまった。
これだけ作れるスタッフならば、むしろ完全新作を期待したい。

それとして、今回は居心地のいい世界観についての話。

居心地のいいゲームとは何か。

先日プレイしたゲームで、出来はいいけどなんだか居心地の悪いゲームが
あった。 キャラクターもしっかりしているのに、あまりこの世界に
浸りたくないと感じ、あまりプレイしなくなった。

漫画、アニメ、ゲームなどのファンタジー世界にも居心地の良し悪しがある。
アイマスや艦これ、そもそも美少女ゲームやきらら系漫画の多くには特段
居心地の悪さは感じられないが、戦闘に忙殺されたり、悲壮な運命に向かって
いく内容だと一転、息苦しさを抱くことがある(それも必要なストレスだったり
するので一概に悪いとは言えないが)。
「その世界」に行きたいか、モブになりたいか、これらについて考えることは、
最近の異世界転生モノやソーシャルゲームの舞台としての適性をはかることにも
なるかもしれない。

●ゼルダの伝説
ゼルダの伝説は状況に急かされたり、大量虐殺を行う敵を今すぐ止めなくてはならない、
といった感じではない。直近の『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』に限らず、
《停滞している事柄を自分が働きかけることで動かしていく》タイプのゲームだ。
『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』などは例外的だが、こちらにも無制限の
巻き戻しがある。

●ソニック・ザ・ヘッジホッグ
ソニックはキャラクターも情景もわかりやすく魅力的であるけれど、世界観が
魅力的かというと、いまいち見えてこない。人の住む環境や文化を描いてきた
わけでもないし、《ゆっくりとどまる》という発想があまり浮かばないからだろうか。
『ソニックアドベンチャー』にはチャオ育成やビッグの釣りといった要素もあったが
最近の作品では見られない。

●ロックマン
『ロックマン』や『DASH』『EXE』『流星~』の居心地はよく、
『ロックマンX』や『ロックマンゼロ』はちょっと居心地が悪い。
本家ロックマンにおいては、悪役であるDr.ワイリーに対するイメージがシリアスの
度合いを和らげてくれている。
これはアニメ『トランスフォーマー』の対立構図にも近い。
善悪が対決しているものの、結局はバトルが主体であり、悪が優勢でも悲壮感を
抱かずに済む。
さらに突っ込んでいくと、これはプロレスではないかと思えてくる。
ヒール(悪役)が勝っても観客席には実害がないようなもの。
要はトムとジェリーの《仲良くケンカしな》だ。

『ロックマンX』は5作目、6作目あたりで周囲を大きく巻き込む展開になっている。
シグマやボスキャラがとかく悪意や敵意を振りまき、それを実現させたような大きく
傷ついた世界となってしまった。
本来の構想ではクライマックスの展開だったのかもしれないが、こういう未来には
進みたくないなぁ、と印象付けさせることとなった。 キャラクターの魅力とは別個だ。

●艦これ
ストーリーをあまり語らない、情報量の足りないこのゲームではどうか。
損傷、疲労、消耗、キャラクターロストがある一方、それに対するケアもシステム化
されており、サイクルとして完結している。
そのために、シナリオ上でキャラクターが疲弊したり、痛めつけられたり、民間に
被害が及んだり、度重なる戦いで憔悴しきったりといった事をやらずに済んでいる
(他のゲームではそういったシーンも見受けられた)。
もっとも、開催されるイベントには追い立てられるのだが……

……偏った視点になったが、いくつか世界観のヒントを見出すことはできた。
・止まった時間を動かしていく展開
・キャラクターの魅力を描いても世界観が魅力的になるとは限らない
・憎めない悪役(ヒールとのプロレス)
・ストレスに対するケアをシステム化し、脚本から取り除く

まとめついでに、世界観を魅力的にする仕様の一例を考えてみよう。

・敵との戦いで荒れ地となった場所に花の種を蒔ける

また荒らされたら、また種を蒔けばいい。
もちろん再生の表現を花や種に限定する必要はないが、この仕様を実装した場合
シナリオ面でのフォローはおそらく不要だろう。