今回はamiiboを使ったプレイ記録をアレな路線で。
『"amiibo"を1体、調教してほしい』
そう依頼されたのは、昨年の12月だった。
amiibo、というのは、とある京都の花札屋がはじめたNFCトイ…
簡単に言ってしまえば、ゲームと連動する手のひらサイズのキャラクターフィギュアだ。
amiiboの調教など専門外だったが、他に適任も思いつかない。 依頼を受けることにした。
他のゲームタイトルのとの連動も考えたが、余計な色をもって調教対象に向き合うのは自身の
主義に反する。
紹介されたリストの中から、個人的に「それなりに素性がよく、特に情が沸かない」であろう
調教対象を選ぶことにした。
いかんせん、何体ものamiiboを抱えるのはコスト高だし、なによりスペースを喰う。
現物を見て、個体の素性を確認してから入手した。
この方法は他人に奨められるやり方だ。
このamiibo、おそらくはCGモデルから原型を起こしているのだろうと推察されるのだが
商品設計の際、スケーリング、強度の確保や安全基準への配慮、量産の工程を経て、
どうしてもキャラクターごとの品質にバラつきが出てしまう。
特に「マルス」などは顔と髪に求められる精緻さが足りていない。
マックスファクトリーの"figma"より小さな顔に美少女フィギュアより小さな瞳を描かなければ
ならないのだし無理もない。
あのチンパンジー…「ディディーコング」とか言ったか。
あちらはそもそも瞳の配置が問題だ。なかなかぞっとする個体に出会えるだろう。
さらに着色やプリントの誤差も気になるものは出てくる。
調教対象に選んだのは「ピカチュウ」というキャラクターのammiboだ。
かつて一世を風靡した携帯ゲーム「ポケットモンスター」に登場するポケモンの一種。
プレイヤーが最初に選択するポケモンには含まれず、ただ「外見が可愛い」というだけで
トレーナー達の寵愛を受け人気ポケモンの筆頭となり、アニメ化の際は主役への大抜擢、
成功者の道をひた走る。 かつての電子音の鳴き声を忘れてしまったかのように――
「マスコットの墓場」など知りもしないのだろう、嫌気が差すほど無垢なそのポケモンを
調教しようというのだ――
amiiboをパッケージから取り出すと、その重みと肉感が印象的だ。定価1,200円を超える
価格設定にそれなりの説得力を持たせようという意思くらいはあるのだろう。
スマブラのエンブレムを模した共通の台座の直径は、旧3DSの下画面にギリギリ収まらない。
NFC対応機能を持つ、New3DSの画面サイズが微増したのと関係があるのかは不明だ。
amiiboの育成が出来るゲームタイトルは、現在のところ
大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U のみ。
ピカチュウはいわゆる「持ちキャラ」ではないが、さして問題はない。
スマブラのamiiboはプレイヤーが操作できないNPC。FP(フィギュアプレイヤー)というものだ。
とりあえずは大乱闘で具合を見てやろう、としたのだが、まずは登録が必要なようだ。
WiiUの本体設定ではニックネームを付与できるが、スマブラのゲーム内でもamiiboの項目から
登録を行う。この手続きはゲーム内でのオーナー(持ち主)登録だ。
この際につけられるニックネームは10文字。はっきりいって少ない。
登録が済むとピカチュウがゲーム内に登場だ。
しかし最初からエサを与えるべきではない。ここはまだ何もせず大乱闘からはじめる。
ammiboを再度セットして書き込みを終える。
大乱闘、というかまずはアイテムなしの一対一で様子を見よう。
5回ほど吹き飛ばすと、対戦中に最初のレベルアップ表示が出た。何かを学んだようだ。
その直後にバースト(画面外へのふっとび)するピカチュウ。
交戦中、さらにレベルアップ。少しだけガードや回避の頻度が増える。
ここでつかみ攻撃の存在も教えていこう。ミスを拾ってレベルアップまで投げ続けてやる。
4分が経過し、こちらが放ったメタルブレードを拾いはじめた。Lv7。そして手放さない。
これで最初の「5分間の鬼トレーニング」が終了する。
リザルト画面でLv7から一気にLv10へとアップ。
この一戦でおよそ900パーセントのダメージを与えている。
レベルアップはかなりハイペースだ。
以降の文章は育成の経過だ。
このペースなら同じことを繰り返すよりは、変化を与えていきたい。
次は4人マッチ。こちらはカウンターを見せるマルス、NPCの一体はCPU Lv9のピカチュウ、
もう一体はリフレクターをもつフォックスだ。時間は6分に延長。
ステージは戦場。
4人での乱闘だからなのかは不明だが、レベルアップ効率はやや鈍く感じる
ピカチュウは最下位。Lv15となった。撃墜数は1で合計は-5だ。
ちなみにゴールドは大乱闘を一人で遊ぶときより多くもらえる。
受けたダメージは695パーセント。
基本として対応を憶えさせたい攻撃は色々ある。
まずはカウンター。 待つ側が有利であることを学ばせる。
リンクの弓。
ワリオバイク。
次は勝敗にこだわらず、1対1でリンクの弓を主に浴びせていこう(3分)。
ステージは戦場を終点化しておく。
弓はでんげきで距離を詰めていけるのでさして問題はなかったようだ。
サドンデスまでプレイしてLvは18にアップ。
次はCPUとの対戦でバランスを見ていこう。
2人のCPULv9ワリオと2分対戦させる。
ステージはWiiFitスタジオだ。
結果、サドンデスまで伸びたがピカチュウの勝利。初白星だ。Lvは20にアップ。
次は3体のCPULV9ガノンと対戦。
ステージは攻城戦だ。
一回も撃墜できず、1ミスで下位。Lvは21に。
次はCPULv9シュルクと一対一だ。
村と町。
追い詰められるもシュルク側のミスもあり2-0で勝利。Lvは22に。
次はガノン単体。フラットゾーンX。
不安定なステージだが撃墜2、落下2で勝利。Lvは23に。
ピカチュウと対戦。ポケモンスタジアム2。
実力は伯仲。サドンデスで敗北。Lvは25に。
プレイヤーが対戦してみよう。
ロックマンを使用。2分。戦場。
かなり手ごわくなってきたが2-0でロックマン側の勝ち。Lv26にアップ。
一旦休憩しよう。
大乱闘を抜けるとamiiboの育成画面にいくか訊かれる。
せっかく育成しても、最後にammibo側に保存しなければデータは残らない。
言い方を変えれば、一気に育てた結果が気に入らなければ保存を取りやめる
こともできるわけだ。
では装備を食べさせよう。
高級なふくDEF69、SPD-44を与えると 0, 34, -13 となった
チームバトルを行ってみよう。
ロックマンと組んで2vs2だ。時間は4分。終点だ。
相手はCPULV9のヨッシーとトゥーンリンク。
結果は自チームの勝利。Lv28にアップ。
内訳は
赤:プレイヤーのロックマン(6,-2)
赤:amiiboのピカチュウ(1,-1)
青:ヨッシー(-3)
青:トゥーンリンク(3,-4)
ピカチュウの与ダメージも相手チームの2人に勝っている。
次は戦場だ。
相手はクッパjr.とピット。
赤:プレイヤーのロックマン(7,-3)
赤:amiiboのピカチュウ(0,-1)
青:クッパJr.(-3,3)
青:ピット(1,-4)
自チームの勝利。
ピカチュウはLv31にアップ。
今回もピカチュウの与ダメージは相手CPUより上回った。
プレイヤーと4分マッチ。ステージはダックハント。
3対1でプレイヤーのロックマンが勝利。Lv33にアップ。
4分間でピカチュウが受けたダメージは420パーセント。
今度はプレイヤーのカービィを投入。4分、特設リング。
流石に単純なストーンは確実に避けている。
2対1でプレイヤーのカービィが勝利。Lv36にアップ。
次はプレイヤーのソニック。時間は4分、戦場。
2対1でプレイヤーのカービィが勝利。Lv38にアップ。
与ダメージはソニックより少し上だ。
次はCPULv9リトルマックx2で2分。マリオギャラクシー。
マック1(1,-2)
ピカチュウ(0,-2)
マック2(3,0)
結果は敗北。対処できていない。Lvは39にアップ。
この構成にプレイヤーのデデデを加えてみよう。
デデデ(5,-2)
ピカチュウ(0,-2)
マック1(2,-2)
マック2(1,-2)
ピカチュウはLv41にアップ。
プレイヤーはアイクでもう一回。
アイク(3,-2)
ピカチュウ(1,-1)
マック1(1,-2)
マック2(2,-2)
ピカチュウはLv41にアップ。少し改善したか。
今度はプレイヤーのネスを含め3ネスと対戦。
オルディン大橋
ネス(1,-2)
ピカチュウ(0,-2)
ネス2(4,-1)
ネス3(0,-2)
ピカチュウはLv43にアップ。
CPUのマック、ゲッコウガ、ディディーコングと対戦
ライラットクルーズ
マック(3,-3)
ピカチュウ(0,-1)
ゲッコウガ(1,-1)
ディディー(3,-2)
最下位。Lv44にアップ。これでも与ダメージは1位だ。
CPUマックと5分間1対1でテスト。これで勝てないと大変だ。
ステージはライラットの終点。
ジャンプでんげきでの復帰妨害も行うようになっている。
ピカチュウ(5,-2)
マック(2,-5)
ピカチュウはLv44にアップ。Lv9CPUより明らかに強くなったといえるだろう。
プレイヤーのロックマンと5分。ルイージマンション
ロックマン(2,1)与ダメージ267パーセント
ピカチュウ(1,2)与ダメージ404パーセント
もはや互角以上のスペックになっている。
Lv48にアップ。
もう一度。ヨッシーウールワールド5分
ロックマン(2,1)与ダメージ233パーセント
ピカチュウ(1,2)与ダメージ355パーセント
これでLv50にアップ。
なんとかプレイヤーが勝利しているが、小手先のスキルではもう負けている。
かくしてしぶといマスコットとなったピカチュウ。
しかし調教は終わらない。まだエサを与える余地がある。
攻撃力が上がり、スキルを身につければ、より危険なモンスターへと変貌することだろう。
大乱闘にamiiboを加えるのも悦というものだ。