私の場合、5月を目前に控えるとプラモデルを作りたくなる。
これは、おそらく静岡ホビーショーが影響している。
静岡といえば地場産業にプラモデルをもつ土地で、
最近存在感を増してきたバンダイホビーセンター以外にも何気ない場所に
模型関連会社を見つけることができる。
そんな地元の数少ないイベントなので毎年足を運び、その都度、
プラモデルを作るためのモチベーションをもらって帰ってくる。
――とはいえ、ここしばらくはプラモデルを作る時間を十分にとっていない。
そのため、製作するものは比較的簡単なものに限られてくる。
"簡単”というのは組み立てのことではなく、塗装や整形を省けるもの
という意味で、最近はバンダイのレジェンドBB戦士などを製作している。
部屋のスペースも限られているので必然的に思い入れのあるキットを
選択して組み立て、最低限の部分塗装を行うことで満足することにしている。
BB戦士(SDガンダム)のシリーズは金や銀といった派手な色の
ラインが設定にあるものが多いが、完全には再現されていないことがあり、
自分で軽くひと手間かけてやることで見栄えが劇的に良くなる点が気に入っている。
プラモデルというものは作るものだから、塗装済み完成品とは根本的に異なる。
再現性の優れたアニメーションモデルをコレクションしたいだけの人にとって
プラモデルは煩わしいだけかもしれないが、私の場合は自分で作ることで思い入れが
増すという点に価値を見出している。
プラモデルは組み立て説明書の通りに組んで終わってしまうと、そこに個性の
入る余地はあまりなくなってしまう。幼少期であれば作るだけでも独自性を見出せた
ような憶えもあるが、今は例え面倒でも自分なりのスパイスを加えることを
大切にしている。
この点はゲームでも同じで、エンパシー(感情移入)重視だと思う。
自分で体験、あるいは娯楽として触れたものに嗜好が偏っている。
そんな感じで、例えばガンダムUCのMSなどはデザインが格好良くても
小説やアニメを見ていないからプラモデルを作る気が起こらなかった。
(UCは最近アニメ版をある程度カバーし始めたから手を出そうかとも思い始めた)
新しいプラモデルを購入しようという意思はあるが、自室には大量の未消化プラモが
積まれている。
思い入れが強いキットは丁寧に作りこもうとする(つまり表面処理や全塗装)傾向が
あるため、こういう結果を招いているような気がする。
どんな創作もこだわりすぎて完成させる力が鈍るのは悪い癖だ。
この癖は少しづつ克服していきたい。