ニンテンドー3DSのタイトル、『ものすごく脳を鍛える 5分間の鬼トレーニング』を
8月に始めてから、そろそろ約80日が経過する。今回はそのレビューをしてみる。
ちなみに、2012年10月末時点で修正データVer. 1.1が配信開始されたので
本ソフトのユーザーはチェックしておきたい。
●体験版での印象
発売前に配信された体験版では鬼計算のみがプレイできた。
その結果はあまり芳しくなく、速い2バックがまともにできない状態だった。
それが気になっていたので、せめて3バックはクリアできるようになろう…と考え
ダウンロード版を購入することに。
●鬼トレについて
鬼トレは『脳のワーキングメモリーを鍛える』という本タイトルのテーマに従った
トレーニングで、鬼計算をはじめとした8種類のトレーニングが収録されている。
(ワーキングメモリーというのは、簡単に言ってしまえば行動や計算をする時に
その場で取得した情報を一時的に貯めこむ記憶のこと)
各トレーニングは1日約5分間ずつしか行えない。これは1日に何時間も鬼トレを
やりすぎると、脳にとって逆効果となることが確認されたからだそうだ。
くれぐれもリセットプレイには気をつけておきたい。
●他のトレーニングについて
・鬼トレ補助
鬼トレの補助的な能力発達を促す、9種類のトレーニングが収録されている。
代表的なものは『計算20』。1桁の値同士の足し算、引き算、掛け算を素早く
連続で行っていくものだ。進めていくと『計算100』も選択できるようになる。
鬼トレと違い、こちらは1日のトレーニング制限は設けられていない。
・脳トレ
脳を若く保つ目的の脳トレも9種類収録されている。
数段階の難度が設定されているトレーニングもあり、コンプリートには相当の
期間を要すると思う。 こちらも1日のトレーニング制限は設けられていないが、
新しい問題にチャレンジするには次の日まで待たなくてはならないものもある。
・リラックス
リラックスを目的としたミニゲーム。
脂肪爆発という、ゆるめの落ちモノパズルと脳トレにも収録されていた細菌撲滅
(要はタッチ操作のドクターマリオ)、そして音楽鑑賞ではリラックス専用の音楽が
33曲+ゲームのサウンドトラックを聴くことができる。
●現在の成績
80日間続けているので成績は少しづつ向上している。
それがワーキングメモリーの発達によるものなのか、テクニックや
慣れにによるものなのかはわからない。
鬼計算 … 速い10バック
鬼めくり … レベル15
鬼ネズミ … 6匹
鬼朗読 … レベル6
鬼記号 … 速い7バック
鬼ブロック… レベル9
鬼カップ … 7カップ
鬼耳算 … 速い4バック
現在の鬼トレグレード … グレードSのゲージ中間程度
正直言って、ここまで成績が伸びるとは思っていなかった。
どうやら得意な人はグレードSSやSSSまで到達しているようだが、
今の成績でも最初の頃に比べれば満足できる内容だと思う。
●個人的に好きなトレーニング
・鬼ネズミ&鬼カップ(鬼トレ)
動くものを目で追う、ズルをしづらいトレーニングなので、成績が伸びると
「できなかったことができるようになった」感覚を得られやすい。
・計算20&計算100(鬼トレ補助)
他の鬼トレ補助より容易で、書き込んだ数字の認識ミスも少なめなので
比較的気楽に続けられる。ただし成績は回答の文字記入量に影響されるかも?
・名曲演奏&聖徳太子&漢字書取(脳トレ)
毎回違う問題が出てくることに新鮮味を感じられる。特に漢字書取は時々
忘れていた漢字が出てきてはっとさせられることがある。
●知っておくだけで成績が向上する知識
・鬼計算、鬼めくり、鬼記号、鬼耳算は2回までやり直しが可能
他のトレーニングと違い、これらのトレーニングは2回までやり直しを選択できる
ので、2度までは悪いペースを挽回するチャンスを得ることができる。
他のトレーニングにもギブアップはあるが、こちらは一度記憶すべき内容を忘れて
しまうと5分間のトレーニングに無駄な時間が空いてしまうため、さっさと不正解にして
次にチャレンジしたい場合に使うべきだろう。
・リラックスでも…
脂肪爆発ではポーズメニューから中断するというズルができる。詰まりそうに
なったら中断セーブして再開すれば同じステージの最初からの持ち直しプレイが可能だ。
だからこそハイスコア達成に躍起にならず、気楽にプレイすべきかもしれない。
●ここが不快!
・入力文字の認識制度
頭では正解がわかっていて、口でも正解を言うことができるのに、記入ではNG!という
場合がある。 これは歯がゆい。
それでも内部プログラムでは正解に近い記入を優先して認識するようなので、
誰がどう見ても「い」と見えるよう入力しても「し」になったりもする。
私が一番困ったのは漢字の記入で、漢字をやや行書体っぽく書く癖が仇になってか
鬼トレ補助の「漢字宇宙」では何度も書き直しているうちにミスになることが多かった。
グリッドやクラウドならいざ知らず、携帯ゲーム機で文字入力の認識をほぼ完璧に行う
プログラムなんてまだまだ難しいのかもしれない。
・成績の上下がモチベーションを下げることも
とにかく、毎日続けていくと成績の上下が激しい日もある。ポリゴンの教授に心配されて
しまうようであれば
・「どうやらお疲れ気味なのかな?」
これは鬼トレ補助の成績グラフが下がった場合に出る教授のセリフ。最高成績よりは
落ちているけれど頑張った!と感じた時にこのセリフが出た事が何度かあった。
こういう自己満足を妨げるセリフは全くありがたくない。
●実益はあったか?
個人的な感覚としては、あまり実感がない。
集中時間テストも頻繁にやっているわけではないとはいえ、記録は大して伸びていない。
生活ではそれほど手際が良くなった実感はない。
それでも頭を使う難しいことにチャレンジして、それなりに達成していることもあるので
ほんの少しは効果があるのかもしれない。
こういう事は他の人の感想も聞いてみないことにはなんとも…
もちろん、時間をかけただけの効果が得られないと考えるようになったら鬼トレを
きっぱりやめるべきだろう。
もし、ごく短期間で集中力のコンディションを上げたければ、視野を広くとる癖をつけたり、
まばたきをすることで眼を冴えさせてやる方が簡単かもしれない。
どちらにせよ、「大抵の集中には眼を使う!」という事は鬼トレを通して再認識できたと思う。
●今、どう続けているか?
現在は1日に鬼トレを2つ程度行っている。
かけた時間に比して効果が得られるかどうかは不透明だし。
それに、8つの鬼トレを1日に全て行おうとすると、どんなに最短でも5分×8で40分。
実際はこれよりもかかるので、毎日続けていくにはもっと気楽に構えておきたい。
鬼トレはゲームソフトを起動してのトレーニングなので、必ずいつかはやめることに
なるのだろうが、それまでの間は時間を無駄にしない程度にうまく付き合っていこう。