前回に引き続き『スーパーマリオメーカー』の話題。
来月にはアップデートを控えた『スーパーマリオメーカー』だが、最近はどうも面白くない。

具体的にいうと、ユーザーが投稿したステージの質があまりよくない…というか悪いと感じる
ことが多い。 自分のことを棚に上げられるわけではないけれど、面白いゲームを作ろう!
としている人が少ないように感じてならない。


●難しいステージを投稿することは自慢になるか?
誰もクリアできないような難しいステージを作ることは簡単だ。成功となるパターンを自分
だけしかわからないように隠してしまえば(暗号化)、どんなに正確に操作ができて観察力を
もつ人がプレイしてもクリアするには膨大な時間を要する。 例えば、隠しブロックを正しく
出さなければクリアできないシーンと、外れの土管や扉に入ると確実にミスを何箇所も組み
合わせて、ついでにスタート地点の目の前にクリボーを置いてやれば極端にクリア率の低い
ステージは完成する。 まだ物足りなければキノコを取った時点で進行不可になるよう仕組ん
だり、ノコノコの甲羅が必要な場所にスーパースターをたくさんおいてやればいい。マリオ
ワールド風のステージならばゴールバーの裏側にトゲトゲをびっしり仕込むこともできる。

WVW69ih5HvsHNupVYW
即興で作ったけど、こういうのはダメ。 ちなみにドアと土管、全てはずれである

●鬼畜ステージが歓迎される背景とは
どんな理不尽な展開でも、それを皆で共有できる場があれば楽しむことはできる。
例えば、友達の家で交代で遊んだり、プレイ実況動画でプレイヤーのリアクションまで含めた
娯楽として見る分には問題ないだろう。 これはゲームに限らない。ひどいアニメや漫画に
触れたとき、それを愚痴ったり共有できる場所があればネタにできるはず。

ただ、これは閉じられたコミュニティ、小さな社会での話だ。
不特定多数に向けた理不尽というものは、基本的に通用しない。 身内向けに用意されたネタ
は他人にとっては不快だったり、時には権利を侵害したり、法に触れたりもし得る。
家の中にいても、ネットを通すのなら内と外の分別はつけなければならないだろう。


●ポッポポポォォ!! 
製作に対する考え方とか、小難しいことを考えるのは自分のような偏屈だけで十分だ。
小学生が作ってることを考えたら無理もない。 とはいえ、もう少し何とかならんものか――
そう考えていたところ、任天堂がなんか動いた。

Niintendo News ましことヤマムラ 第一話
http://www.nintendo.co.jp/nintendo_news/151014/supermariomaker/index.html

なんか鳩が吼えている。 いや、鳴いているのか。
ちょっと説教くさいけれど、自分の言葉よりはよっぽどマシだ。わかりやすい。
ゲームの作り方なんて本当は自由だけど、なんとか面白いゲームを作ってもらうように誘導
している。第二話では遊んでいて気持ちのいいコースを作ることにも言及しはじめた様子。
これはちょっと(子供たちへの啓発に)期待が持てそうだ。


●単純に面白コースを探すのが難しい……
今現在も、面白いコースを作る人はいる。確実にいるはずだ。でもそれがどこにあるのかは
さっぱりわからない。 有名人のコースや全自動マリオなどがあふれ返っていることもあり
ランキングはほぼ役に立たない。このあたりも任天堂になにか手を打ってもらいたい。

スーパーマリオメーカーは「ゲーム作品」よりは「サービス運営」に近いゲームだ。
今がつまらないと感じても、今後の修正で不満が解消されていく可能性は十分にある。
マリオのアタリショック化は避けられるのか? 力を抜いて見守っていこう。